この記事は、The Twelve-Factor Appを補足し、実際に現代的なWebアプリケーションで適用する場合の注意点などを紹介するシリーズです。下記の原文を読んだ上でのワンポイント解説になります。
概要
- 依存関係を依存関係解決ツールを使って解決する
- 暗黙に依存関係が存在することは許容しない
これは何を表しているか
いわゆるbundlerやcomposerといった依存関係解決ツールを使えという話です。これにより「それらは外部のものである」というのが明確になります。
「1. コードベース」と同様、1つのアプリケーションは1つのコードベースであるべきです。ライブラリのようなものは別のコードベースになるので、それを解決するために依存関係解決ツールを使うべきです。
また、依存関係解決ツールを使う場合でも、いわゆるグローバルにインストールするようなことはせず、必ずアプリケーションのローカルにインストールされるようにし、事前にインストールする必要がないようにしておきましょう。
依存関係には、ネイティブのライブラリ(curlやImageMagickなど)を要求する場合もありますが、これらもアプリケーションに同梱していない場合は、バージョンアップによって動かなくなってしまうということがあります。これらもアプリケーションに同梱しておくのが良いです。Railsでnokogiriに苦戦した方は多いと思います。
実際に運用する場合
bundlerやcomposerといった依存関係解決ツールに関しては普通に使っていれば問題ないと思います。現代において依存関係解決ツールが存在しない言語は希少だと思いますので、お使いの言語のものを適切に利用してください。ほとんどのメジャーなフレームワークを使えば、デフォルトでそれらが適用されると思います。
依存関係のインストールに必要なネイティブのライブラリに関しては、Dockerを使うことによってそれらも簡単に固定バージョンのものを用意することが可能です。開発初期はどの環境でも最新バージョンを入手するのが簡単なのですが、開発が数年になると当時のバージョンがOSのパッケージシステムで入らず動かなくなるといったことが多々存在します。
現実的にはDockerを常に使うとは限りませんし、特に開発中はシステムのライブラリをそのまま使うことが多いので、その場合は依存バージョンをREADMEなどに記載することによって暫定的に回避するなどの対策を取っておきましょう。
フロントエンドで、CDNで配布されているものを<link>タグや<script>タグでそのまま使うケースがありますが、どこで何が読まれているのかを把握することが困難になってしまいます。フロントエンドも必ずnpmやyarn等で管理し、本番環境では1つのファイルにpackしたものを使用するようにしましょう。