この記事は、The Twelve-Factor Appを補足し、実際に現代的なWebアプリケーションで適用する場合の注意点などを紹介するシリーズです。下記の原文を読んだ上でのワンポイント解説になります。
概要
- バックエンドサービスは「アタッチされたリソース」であり、簡単にデタッチもできる
- ローカルで動作するサービスと外部で提供されているサービスを区別せず、エンドポイントを切り替えると簡単に切り替わるようにする
これは何を表しているか
例えば、自分で用意したMySQLと、AWSのRDSは同じように扱えるようにすべきです。RDS専用のAPIを使う必要がある場合は、それはRDSでありMySQLではなくなります。
「3. 設定」で、設定は環境変数に分離すると解説しておりますが、ここで登場する「アタッチされたリソース」は、全て設定=環境変数で接続先が切り替えれるように設計することで、簡単にバックエンドサービスを切り替えることができます。コード内に含まれていると、サービスを変更したい場合などに変更することができなくなります。
実際に運用する場合
実運用で一番困るのがメールです。SMTP自体は汎用的なプロトコルではあるのですが、メールに関するサービスは独自APIが多く、それらに対応することが余儀なくされます。また、メールは本番以外では送信されてほしくないことが多く、環境によって大幅に挙動が変わることがあります。
開発環境では接続先をMailHog)のようなサービスにすることによってメールを飛ばないようにできます。APIが必要な部分は、APIキーが指定されていた場合のみ動作するような設計にしておくのが良いでしょう。
S3のようなオブジェクトストレージの取り扱いや、キャッシュストレージなどの扱いは、「10. 開発/本番一致」で解説します。いずれにせよ、設定=環境変数で各環境を切り替えれるようにしておくべきです。